〔フォアラーの実験〕
1948年、フォアラーは次のような実験をしました。
フォアラーは、学生達を集めて、自分の性格について心理検査を行い、その検査結果に基づく分析結果と称して、全ての被験者たちに、他の被験者には見せないようにしてそれぞれ独立に、次のような同一内容の文章を示しました。(以下の内容は、ウイキペディアより引用しました。)
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あなたは他人から好かれたい、賞賛してほしいと思っており、それにかかわらず自己を批判する傾向にあります。
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2 |
あなたは弱みを持っているときでも、普段はそれを克服することができます。
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3 |
あなたは使われず活かしきれていない才能をかなり持っています。
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外見的には規律正しく自制的ですが、内心ではくよくよしたり不安になる傾向があります。
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5 |
正しい判断や正しい行動をしたのかどうか真剣な疑問を持つときがあります。
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6 |
あなたはある程度の変化や多様性を好み、制約や限界に直面したときには不満を抱きます。
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そのうえ、あなたは独自の考えを持っていることを誇りに思い、十分な根拠もない他人の意見を聞き入れることはありません。
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しかし、あなたは他人に自分のことをさらけ出しすぎるのも賢明でないことにも気付いています。
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9 |
あなたは外向的・社交的で愛想がよいときもありますが、その一方で内向的で用心深く遠慮がちなときもあります。あなたの願望にはやや非現実的な傾向のものもあります。
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フォアラーは、学生たちに訊きました。もしも、示された心理分析結果が自分に完全に合っている(非常に正確である)ときを5点、全く合っていない(全く不正確である)ときを0点として、自分の場合の評価点数を発表させました。
学生達の評価点数の平均値は、4.26となりました。この意味するところは、ほとんどの学生が、自分のことを正しくいい当てていると感じたことになります。
その後になって、フォアラーは、実はどの学生にも全く同じ解析結果を示していたと種明かししたのです。
その後の研究により、次のような条件を満たす時、被験者はテストの正確さにより高い評価を与える事が証明されています。
・被験者がその分析は自分にだけに適合すると信じている。
・被験者が評価者の権威を信じている。
・分析が前向きな内容ばかりである。
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